魚の思考力

ヒラメに食われたクロサギ

魚に思考力はあるか?

答えは”YES”だと僕は思う。魚類の脳は記憶や思考を司る部分が未発達な動物らしいが、そんなことはないのではないかと思っている。

確かに記憶力という点では未発達な印象を受けることもあるけど、思考力という点で魚類は割と優れているのではないだろうか。例えばこんなことがある。

針の周りの餌だけを食べる魚

小さなアタリが続くのに合わせを入れてもスカッ、仕掛けを上げると針の周りだけ餌が食べられ針の形に綺麗に餌が残っていることがある。

あれって、魚が餌の周りに何かしら違和感を感じて「いや、針付いてんのバレてんで!」って考えてる証拠に違いない。

針のかかった部分を残して食われたクロサギ
針のかかった部分を残して食われたクロサギ

針が大きいと釣れない

針の周りだけ餌を食うのと同じだけど、針のサイズが大きければ大きいほど食いが渋くなる。やはり餌に違和感を感じて「いやいやいや針デカすぎやろ!」って言ってるはずだ。

ラインが目立つと釣れない

これもよく言われる。ラインは太いほうがキャッチ率は上がる、が確実にアタリは減る。魚が餌やルアーのそばにあるラインに違和感を感じている証拠である。「見えてるやん!ライン見えてるやん!」ってツッコんでるのは間違いない。

同じ場所で続けて投げてるとスレる

スレる。よく聞くが、最初は反応が良かったのに同じ場所で続けざまにルアーを投げてると、さっぱり反応が無くなることがある。あれはつまり「そんなおんなじ場所におんなじルアー投げてたらさすがに冷めるわ〜」つまりスレるとはこういうことである。

つまりそういうことである

魚は思考している。言語はないかもしれないが、物体を認識しそれが何かを判断して区別する。これは思考力と呼ぶほかない。

投げても投げても釣れない時などは特に感じる。「これ、バレてるわ」ってあの感じ。

水深1〜2mほどの激浅の海で釣りをした時にこんなことがあった。海岸のそばでテトラがずっと続いている場所。濁りもそれほどなく海底まで丸見えの状態だった。

海中には小さなベイトやフグがちらほらいる中に、40cm以上は余裕で有りそうなチヌが数匹ウロウロしている。釣れないのは分かっていながらも投げるのは悲しい釣り人の性で、ワームを投げるもやはり釣れない。

チヌの目と鼻の先を通しても完全にシカト状態。チヌはこちらを小馬鹿にしたような態度で、テトラの間や砂地をゆったり泳いでいる。

あまりに反応がないのでテトラの側面、わずかに傾斜している部分にワームを引っ掛けて放置してみる。すると近くの大チヌが興味を持ったのか近づいてきた。チヌはワームのすぐそば20cmほどの距離で、テトラに乗った魚の形をしている物体をじっと眺めている。

10秒ほどワームを観察したチヌは何事もなかったかのように反転して、ゆったりと遠ざかっていった。

「見切られた」これこそ魚の思考力にアングラーが敗北した瞬間と言える。

魚は確かに思考している。だからこそ釣りは面白いのだと思う。